ビッグ・フィッシュ観た

ビッグ・フィッシュ観た

2003年公開で監督はティム・バートン

若い頃の父親をユアン・マクレガーがハンサムに演じている。スター・ウォーズとかトレインスポッティングとかもいい味出してたけど今回もかなり好きな感じ。

撮影はフィリップ・ルースロ。このあとにまたティム・バートンと組んでチャーリーとチョコレート工場を撮っている。夢中になって観た記憶がある。金曜ロードショーとかでもやってたし。最近だとファンタスティックビーストシリーズも担当していたりとすっかりファンタジーの巨匠だ。

 

話の筋としては父息子の和解がメインテーマにある。

面白おかしくほら話(fish story)をしている父親にうんざりした息子が自身の結婚式でついに不満を爆発させて疎遠になる。そんな父が倒れてしまって息子は父親と向き合うことになる。

しなびた現実にも遊び心を忘れない父親をアルバート・フィニーがなんというかキュートに演じている。人間的な魅力があるという設定通りおしゃべりずきだがどこか憎めない演技!

真面目な息子を演じているのはビリー・クラダップ。2023年にナオミワッツと結婚してたらしい。最近日本だとあんまり聞かないけどなんか出てたかね。不器用な息子を等身大で演じていて交換が持てた。人当たりのいい父親を持つ苦悩みたいなのうまかったなあ。

現実と回想の対比はとても鮮やかで今観ても新鮮さを失わない。父親の盛りに盛った若い頃の活躍シーン、特にお気に入りはバイトリーダーみたいな芝刈りのシーンだ。一糸乱れぬ秩序はファンタジーなのだなあと再確認させられた。ティム・バートンって秩序などのある種そういうものから飛び出したはぐれものというか秩序の外、斜めとか曲線的な演出がうまい監督だと思っていた。実際うまいのだか秩序の外、はぐれものを描けるということは秩序を描くのもうまいと言うことだろう。マーズ・アタック!観た段階で気づけよ!という話ではあるが笑 秩序もはぐれものもどちらもバチッと決まるから対比が鮮やかに決まる。

靴を投げて紐にたくさん引っかかってるシーンはなんか元々の意味があるのだろうか。教えて有識者。あそこのくだりもなかなか好きで居心地のいい場所って離れたくなるよね。駄目になるぞってかんじ。大物になるには険しい道を選ばねばならない。ヘレナ・ボナム=カーター好きなんよなあ。美人さん。

ファンタジーと現実の対比をバチッと決めながらもそこが川と湖の水が交わるように曖昧になる瞬間が訪れるのがこの映画を見ていてとても心地よい瞬間だった。ファンタジーがそっと生活に入ってくる瞬間。現実がファンタジーを追い越す瞬間。自分も曖昧なタイプ(危ない人みたい)なのでこういうのはええよねえとなる。

最後息子の話した話がどの話よりもファンタジーになっているのは泣けた。死という現実に引き込まれている父に語りかけるのが大嫌いだったはずのファンタジー。この構造はずるい泣くしかない。

お父さんありがとう。父は偉大である。